随筆かも知れない

梅の花が

2月23日

「もしあなたの手が他人のものを盗み、他人を傷つけるのならその手を切り落としなさい。」

これはもう題名は忘れたのですがチャールズ・ブロンソン(?)という俳優さんが出ていた洋画のあるシーンで、街角の雑踏の中に聞こえてくる誰が言うともない「声」だったのです。主人公は自分の娘を自殺に追いやった警察もお手あげの「町のダニ」を「銃」で裁いていくのです。自国の社会が病んでいることに気づきはじめた頃のアメリカ映画だったように思います。

家の玄関までのコンクリート舗装がひどくいたんできたので舗装をしなおしてもらいました。そのついでに舗道のコースを少しかえたのですが、ついては数本の木を移動させなければなりませんでした。専門の職人さんにお願いしたのですが、実に鮮やかな手際でした。

梅の花が咲き始め、冬枯れていた木々もようやく春を感じて水を吸い上げはじめているのでしょう。専門の方にお願いしたのですからそれほど心配はしていなかったものの、思わぬことが原因で枯れてしまわないとも限りません。

この時期になって大丈夫なら植えかえた木はまちがいなくいきているのだそうで、安心しました。

その作業の時、煙草を吸いながら職人さんは「木の命は根にある」と仰有いました。痛めたり切ったりした根もあるから枯れる枝は何本かあるかも知れないが、幹は枯れない。

私たちは枝が枯れるからその枝を何とかしようとする。何とか出来るのであればそれもよかろうが、出来なければ、あるいはアメリカ映画のように切り捨ててしまう。枝をなおすのに枝ばかりを見ているものの愚がそこにある。

お念仏は木が根を張る大地だ。そもそもそこに根を張ればこそ木が木であるのだ。


さて、日本の社会もようやく(?)病んで、しかも我々がそれに気がつきはじめてどのくらいたつのでしょう。我々はやはり病んだ枝を切り捨てることになるのでしょうか。私は個々については悲観せざるを得ないのですが、それでも、「仏教国日本」に楽観していたいのです。しかし、「このことに関しても私は愚かなのでしょう」と私は書かざるを得ません。

最新の掲載へ  101回からの掲載へ

以前の掲載一覧
100 自燈明
99 (無題)
98 (無題)
97 不信にあらずや
96 大地
95 教訓
94 名宛人不明
93 具体
92 益・無益
91 大自覚
90 出来た人
89 お講の風景
88 いわずもがな
87 放言-3
86 放言-2
85 放言
84 宿業
83 不可思議
82 不思議
81 自我と我執
80 慚愧
79 報謝
78 感想文
77 余計なお世話
76 ある確認-3
75 ある確認-2
74 ある確認-1
73 (無題)
72 今にある歴史
71 とわれるもの(2)
70 問われるもの
69 証道の歴史
68 そのうえの念仏
67 中中おろかなり
66 大悲無蓋
65 無生の生、往生
64 「おめでとう」
63 称名
62 救い
61 いのちである言葉
60 信楽受持甚以難
59 家族の真宗
58 詮ずるに愚痴
57 無碍光如来
56 光明無量
55 非行非善
54 仏法聞き難し
53 (無題)
52 さるべき縁
51 いそぎ仏になりて
50 遺伝
49 無生
48 構造
47 迷い
46 (転載)
45 奇妙な反省文
44 現在
43 念仏、お念仏
42 (無題)
41 お聞かせ
40 謝すべし
39 相続
38 自縄
37 我が身
36 立所
35 心の向かうところ
34 不可説
33 個性
32 癒し
31 (無題)
30 ただ称える
29 輝く
28 有量
27 光と闇
26 深い闇
25 ただ一つ
24 離れる
23 意味の奥底
22 梅の花が
21 念ずる方向
20 穴の中
19 罰があたった
18 掌を合わす
17 悪人たる所以
16 極点に立つべし
15 大海
14 奇妙な酔っぱらい
13 ばあちゃんの避難訓練
12 無智
11 芸術の秋
10 仮想現実
日本教
ベクトルでもない
転んだら立ち上がれば...
京都の五山の送り火は
今回は関西弁で


「じねん」と読むらしいです
HEAVYってどういうこと?

かも知れない検索
(別窓で開きます)