随筆かも知れない

ただ一つ

4月8日

実はわたしたちの日常に「真実」はいくつもあるのでしょう。ひとつの事実を人はそれぞれに解釈をして、それぞれの「真実」を作り上げるのでしょう。「愛」こそが真実なのだ、「誠意」こそが真実なのだと。

しかし、自分の作り上げた「真実」をいかに論理でかため言葉でかざっても、畢竟ずるに「そらごと」であります。逆説すれば論理・言辞を要するゆえに「そらごと」は「そらごと」であり、真実ではありません。

「お念仏ひとつがただ一つ真実である」とわたしに働きかけて下さっても、そこに安住できないわたしがいます。不実なるわたしです。凡夫たる所以です。

さて、一如真実があって凡夫があるのでしょうか。逆でありましょう。過去の、現在する、更には未来のあらゆる凡夫の凡夫たるがままの姿から、一如真実はいわば要請を受け名乗りをあげて下さったのでありましょう。そうであればこそ一つであるのでしょう。

要請をしておきながら、名乗りをあげて下さった真実におまかせをすることができない、その真実のなかに安住ができない。これを凡夫とは言わず、悪人と言うのでしょうか。しかしなお、その悪人こそを救い取らずにはおかない、それこそがまさしく真実のお働きなのでありましょう。

そこには「生きる、死ぬ」という「我が身の事実」は、もはや関係がないのであります。


「お念仏もうせばどんな人でもお浄土にうまれさせていただけるというが、悪人のまま、凡夫のままではお浄土へはいけない」。これは先般あるお寺の永代経でお聞きしたお話です。「うまれる」ということと「いけない」ということの、何と言えばよいのか範疇の違いとでもいうものが今ひとつはっきりとしないまま、お尋ねもできませんでした。「悪人のまま、凡夫のままではお浄土はない」と、今のところわたしは言葉をかえていただいております。

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京都の五山の送り火は
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「じねん」と読むらしいです
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