随筆かも知れない

癒し

9月6日

「癒し」ということがよく言われます。それが言われる場所によっては特に引っかかりもしないのですが、聞法の場で言われますと私は分からなくなります。

「癒す」ということは「医す」とも書くようですし、釈尊は「医王」ともいわれるのですから仏法が「医す」ということもあるのでしょう。けれど、仏法の「医し」はよく言われる「癒し」とは全くの別物です。

私はもともと悪業・煩悩の塊なのです。人様を傷つけてもそうとは思わないのです。どんなに心のこもった言葉をいただいても「何をこんちくしょう」と恨んだり、傷ついたりしているのです。

お念仏の外にもう何もないこの身が「癒される」ことはないのです。癒しということは大変重要なことであると思います。ますます発展進歩が求められることです。しかし、それこそが仏法の世界であるとなると大変な間違いだと思います。

あるお寺の方がノイローゼになってお寺も飛び出したりした。随分悩んで九州大学の精神科へ行かれた。仏教信者のお医者様がどう仰有ったかというと、「あなたは真宗のお寺の方ですか」、「はい」、「それじゃ私のところではなくて曾我量深先生という方がいらっしゃるからその先生にお出合いなさい、その方が治るよ」。

病気だから病院で治そうと思って行ったら来るのはここじゃないって言われて、それで曾我先生のところへ行って信心いただいて治った。いや、治ったんじゃない、病気が病気でなくなったんだ。

仏法というのはつまりそういうことなんだと、この夏一周忌のお勤めにお参りさせていただいたあるお寺の御院主さまが生前によく仰有っていたお話です。


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