随筆かも知れない

(無題)

3月13日

様々な形の「いただき物」をしてそれをどうするかというと、自分のものにする、捨てる、だいたいこの二通りしかない。ここで「捨てる」というのは、例えば物置にしまってしまうのも含むことになる。

晩ご飯をいただく、このほうれん草のお浸しは要らないからといって人にあげたりするのも「捨てる」ことだが、それでは何を自分のものにするかというと自分がほしいものを自分のものにする。さて、私たちは何がほしいのか。

幼子はチョコレートが100個買える紙より1個のチョコレートがほしい。うどんの出前を届ける人は立派な高級車は要らない、狭い路地でも入っていける自転車かスクーターがほしい。万人すべてが決まってほしがるものなどない。

何もないなかに何があるのかというと万人すべてが本来ほしがらねばならないものがある。あるいは万人が生まれながらに欲しているのにそれと気がつかない内なる願い、これ一つだけがある。

喉の渇いている人は暖をほしがらない、水をほしがらねばならない、寒さにふるえる人は水をほしがらない、暖をほしがらねばならない。そういうのでなく、人によって別なのではないものが一つだけあって一つしかない。

「ご縁」いただいて、ただ一つこれをこそほしがらねばならないものを「お聞かせ」いただいたが、棚の上に上げておく。自分のものにしない。ほしくいないと言って、今は要らないといって、つまり捨てておく。捨てておくものだから自分のものでない、自分のものでないから自分勝手に例えば「未来」に「往生」を仮想する。

あれは欲しいこれは要らない、たいそう立派な分別をする自分はたいそう立派な自分のままだ。「お聞かせ」は棚の上、物置の中のままで、たいそう立派な「未来往生」が出来上がり、「楽の極み」の「極楽」が死後に出来上がる。

「自存」するのでない「人間(自分)」は、だから自分を一番大切に思う。その一番大切な自分にとって一番大切なものをなぜ自分のものにしないのか。それなくして「満足」する「自分」などあるはずがないのに。


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京都の五山の送り火は
今回は関西弁で


「じねん」と読むらしいです
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