随筆かも知れない

そのうえの念仏

平成12年3月5日

人間というものは「我執・我所執」をどうしても離れられない。「我執・我所執」をどうしても離れられないところに「煩悩」といわれるものが起こるのであって、「煩悩」が「煩悩」としてあるのでない。

人間というものは「我執・我所執」をどうしても離れられない、この自覚の他に「業」といわれるものは何もない。人間にあるのは「我執・我所執」であり、「業」があるのでない。

ご縁の果である「わたし」のほかに「私」を仮設する私が、ご縁の果である「わたし」でしかない事実に目覚めさせていただく。わたしがわたしである、人間が人間であるとはお念仏させていただくということである。

お念仏申させていただいても「私」を仮設する私がなくなるわけではない。しかし初一念は宿業を私のなかに自覚すればこその宿縁であり、私にかけられた如来さまの願いを南無阿弥陀仏といただいた私は、捨てることも無くすることももともとできない「私」が重荷ではないわたしでもある。

そこにまたうまれて下さるお念仏は、感謝のお念仏であるに違いない。


そのものとしてあるのでないものを、私としてあるのでない私が断ずることなど、そもそも出来るはずもないことです。

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