随筆かも知れない

ある確認 第1回

平成12年8月10日

「ご縁のままにしか生きられない」ということは事実を表す厳格な言葉です。

私たちの意志というものも、それによる行動というものも、実にはすべてが業縁のもよおしに他ならず、それに気が付かない私が私による意志・私による行動と解釈しているに過ぎません。私のはからいで為しえることは何一つないということは厳格な事実です。

言い添えるまでもないことですが、この厳格な言葉は同時に「自因自果」ということを表すわけです。ですから何か勘違いをして自分のしでかしたことの言い訳にしようとしても言い訳としての意味をなしません。

極論になるのかもしれませんが、五逆謗法の罪を犯すこともまた「さるべき業縁」のもよおしによります。何かしらの善を作すことと五逆謗法の罪を犯すことは、ともにご縁のままにであることにおいて同様です。

「ご縁のままにしか生きられない」ということは、つまり私が凡夫であるということです。「救い」によって救われない凡夫、五逆謗法の罪も決して他人事ではない罪悪深重の凡夫、偶々善を作せばそれを誇り、意に反することを不本意とし、知識を楯に理論を武器にして好んで戦い、他者を断罪している本当の「私」を知らない煩悩成就の凡夫である私です。


例えば「憎しみ」はその対象がなくなった時に必ずなくなるかといえばそうではありません。ということは、もちろんその対象を憎むわけですが、やはり自因しているということです。中学生の時に英語の先生が「感情は受動態で表す。なぜなら感情というものは他者によって引き起こされるものだから」というようなことを教えて下さいました。なるほどその通り、英語というのは実に合理的な言葉だと思ったものです。映画「ベン・ハー」(題名が違うかも知れません^^;)を観たのもちょうどその頃のことでした。・・・合理的であることと道理にかなうこととはまったく別のことだと解らせていただいたのは、恥ずかしながら最近のことです。

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