随筆かも知れない

放言

平成13年3月30日

世界、あるいは世間の混沌たる様は、整然とした秩序の下にある。あらゆる矛盾・不条理の類は、実に道理のままにそのように現れている。こんなふうなことを、人間は時々に思想として持つものであるらしい。思想が智慧にならないところが人間の人間たるゆえんであるのだろうか。

十方微塵世界の    念仏の衆生をみそなわし
摂取してすてざれば  阿弥陀となづけたてまつる

「の」が同格であるという解釈には無理があるのだろうけれど、そういう解釈をしなくても、阿弥陀仏が南無阿弥陀仏なされた歴史があり、十方微塵世界に念仏もうさぬ衆生はない。いわば衆生を代表して悟りをひらかれた釈尊も、やはり南無阿弥陀仏なされたのであった。

お念仏もうさせていただくということは、だから、他力ご回向の世界にいのちのご縁をいただいて、お念仏もうさせていただいている我が身の事実に気づかせていただくということでもある。宿業が宿縁であると気づかせていただくときに、阿弥陀となづけたてまつるのである。


いのちのご縁は尊く、それは厳かでもあります。人間の尊厳とはそういうことの外にあるのでしょうか。いのちのご縁ということによればこそ、それぞれの人が単に個人にとどまらないということがあるわけです。

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