随筆かも知れない

お講の風景

平成13年6月19日

「分かるような気はする、分かったような気になっているだけかも知れないけど、でも、やっぱり自分のしていることを思うと、阿弥陀さまの願に生かされるどころか、信に死してもいられないのが実際です。あれもしなければならない、これもしなければならない、自分がしようと思うことをする暇もないくらいですから、本当のところ、朝晩のお勤めもしていられないのです。そんなことではいけないと思っていても、現実にはそれが私の毎日です」。

これは先月28日のお講で、「智慧の眼はすべての衆生がお念仏申しているとご覧になる」ということについて話し、その中で「信に死し願に生きよ」ということも話したのですが、その後にお参りのご婦人が仰有ったことです。私が覚えている範囲で、標準語(?)に直して書くと、だいたいそんなことを仰有いました。

「本当にお陰様ということに気づかせてもらったら、あれもこれも全部を両手で南無阿弥陀仏といただかせてもらえる。いつだったか上山奉仕に行ったら本山の教導さんが恐い人だったから、もう行くのが嫌だとか言う人がいたけれど、ガツンと怒られでもしないとなかなかお粗末な自分だということに気がつかないのではないか。頭で分かっていてもダメだ。自分は愚かな人間だと自分で言っていても、いざ他人にお前はアホだといわれると腹が立つのだから、二重人格になっているわけで、いい子ぶってるだけの話なんだけど、それになかなか気が付かない。分かっているようで分かっていない、それだけ自我が強いということだ」。

これは今月第二日曜のお講で「無生にはじまる生がある」ということについて話した後、70代半ばの男性の方が仰有ったことです。話したいというか、話すことがあるという方は話をなさいます。にこにこと黙ってお茶をいただいておられる方もあります。

毎月第二日曜と28日と日を決めて、「掲示板」や「寺報」に書いたことについて話をして、その後お茶をいただきながら特に話題を限定もせずに話をするという今のような「お講」になってまだ5年もたたないのですが、気づいたのは、私が話すことも皆さんが話されることも殆ど変わらないということです。もちろん言葉は時々に違うわけですが、中味は殆ど変わりません。少なくとも「発展」というようなものはありません。

今回は他に確認したいことがないわけではなかったのですが、お講の様子を書いてみました。先代住職の時には、本山の教導さんに来ていただいて「歎異抄」の講話会をしていたこともあり、ある方のお話を聞きに石川まで行ったこともあるのですが、そういったことはこの「お講」の席で出た話がきっかけになっていたわけです。


「お講」に来られるのは、だいたい毎回10〜15人の方で、殆ど顔ぶれは固定してしまっています。ということは・・・。いわゆる「老人」だけが暮らす世帯が半数に近いわけで、この地域に限ってものを言えば、過疎化ということは同時に「法義の断絶」であるのでしょうか。山川大地に念仏は満ちていると言っても、例えばこの小さな町にゴルフ場が3つあるんですからね?

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今回は関西弁で


「じねん」と読むらしいです
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