随筆かも知れない

教訓(?)

平成13年10月19日

この間は「お磨き」さんで、きれいに磨いていただいてありがとうございました。いつもと同じお内陣なんですが、何だか気持ちがいいですね。皆さんのお宅のお内仏でも、例えばお花を換えたりしたときなんかは、お花を換えただけなのに何となく気持ちがよくて、眺めていたい気になりません?なるでしょう?・・・今日は私が訳の分からない話をするより、黙ってお内陣を眺めていましょうか、アハハ。

お磨きは手がだるくなる重労働です。毎回翌日になると筋肉痛に悩まされる方も居られるに違いありません。だから、たぶん、きっと、「いややなぁ、なんでこんなことせんならんのやろ」とか、心の中で思って居られる方もいらっしゃるんだろうと思います。でも、お磨きをしているときにそんな風なことを思ってらした方も、今日こうしてお内陣を眺めるていると、やっぱり何だか気持ちがいいんだと思います。

具体的という言葉が適当なのかどうかは分かりませんが、何となく気持ちがいい、その気持ちがいいのは具体的に何故気持ちがいいのかというと、三具足や菊灯とかがきれいだからでしょう。で、それがきれいになったのは、気持ちがいいと感じる今ですか。今ではなくて、「いややなぁ、また明日手が痛うなるのやろなぁ」と思いながらそれでもお磨きをして下さっているとき段々ときれいになったんですよね?

実は同時だったわけです。手が痛くなる原因と気持ちよく感じる原因が同時に起こっていたわけです。そういうことになるでしょ?でも、お磨きをしているときには多分「手が痛いなぁ」と思う方が勝っているんだろうし、それに今こうしてお内陣全体を眺めて気持ちよく感じるその気持ちよさというのはその時には感じてはいないんです、磨いたらきれいになりますからきれいになって気持ちがいいということはあるんでしょうけれども、それは今感じる気持ちよさとは違うんだと思います。

こんなことはこじつけになるのかも知れませんが、法から言えば原因も結果も同時なんです。今お内陣をみて気持ちよく感じるのが結果だとすれば、実はその結果と手が痛くなったり、眺めて気持ちよくなったりする原因、真鍮磨きで真鍮を磨くという原因とが同時だったわけなんですが、私たちがお内陣全体の感じとして「ああ気持ちいいなぁ」と思うのは今なんです。機から言えば、結果があって、その結果の原因をさぐってみると過去に原因らしきものに思い当たる。原因と結果は決して同時ではないんです。

こういう所にも私たちの「無智」というものがあるんでしょうね。蓮如さんは「機法一体」ということを仰って居られますが、南無阿弥陀仏を抜きにしたらそれはないことです。だから「機法一体の南無阿弥陀仏」というふうに「機法一体」ということと「南無阿弥陀仏」とが離れないわけで、それは阿弥陀さまが私の口を割ってお念仏申させて下さるところに機と法とが一体ですということであって、また、機である私は法から離れるばかりなんだけれども、でも法というものは機から離れない、私がいかに法に背中を向けてばかりいてもやっぱり法の中におさめ取っていて下さる、そういうことに気付かせていただくときにお念仏が出て下さるということでもあるんでしょうね。

あまり話が長くなるとお内陣を眺める時間がなくなりますから、これくらいにします。少しだけ付け加えると、そういうことが第一の問題になる方も居られるようなんですが、やれ機の深信だ法の深信だと言っているうちは機法一体なんてことは絵に描いた餅なんでしょうね。本当の意味で具体的なお念仏があるから、絵に描いた餅でない具体的なお餅があるからそれをがぶっといただけるわけです。食べられないのは絵に描いたお餅だけではないんですね、これは機から言えばということになるんでしょうけど、具体的なお餅も食べなければ食べられないお餅になるということです。


14日のお講で話したことを、記憶をたどって標準語に直して(?)書いてみました。合衆国大統領はベトナム戦争から「ゲリラ戦は通常兵力では戦えない」という教訓を得られたそうです。私(私たち?)はお磨きから食べられないのは絵に描いたお餅だけではないという教訓を得たということになるのでしょうか。教訓にもいろいろあるようです。

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