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泥のお風呂

世間では、人の振り見て我が振り直せということをおっしゃる方があって、それは確かにそうも言えるのだろうとは思うのです。

反面教師とでもいえばいいのでしょうか、そんなふうなことだと思うのですが、よく思い直すと、少なくとも仏法ではあたらない言い方だと思えます。

仏法にあっては、問われるのは常にこの私であって、何かしらおかしなことをなさる他人様を見ても、そこに如来のおはからいに背いてばかりのこの私を見させていただくのです。

そうでなければ、煎じ詰めればマナー・道徳の域をでないわけで、他人様のよからぬ様を私は演じまいと心得て、いわば飾った「私」をつくり出すだけのことです。

どこやらで「仏教は心のオシャレです」などという戯言を見たことがありますが、この私が問題にならないままなのであれば、泥だらけの身体で泥のお風呂に浸かって、そうしてオシャレな服を着るようなことになります。

実には泥だらけながら、それはさておいておいて、けれども何とか見栄えを飾って他人様に不愉快な思いをさせないようにいたしましょうという「仏教」に慣れてくると、どうなるのでしょう。