表紙

     

resources

rss1  rss2  atom03

無礙の光明と全我の闇夜-3 (5/28)

こうしまして竊以と静かに卑謙恐懼しつつ、而も音吐朗々として祖聖は難思弘誓度難度海大船、無礙光明破無明闇恵日と讃頌する声を感得せられたのであります。これは諸仏伝統の道である。これこそ正しく阿弥陀仏が浄土を荘厳したまう所の能生と能持との二大原理を明示せられたものでありまして、これは自我の分段の虚仮の歴史を超えて、如来の浄土の等流の真実なる歴史の原理であります。これが則ち次の第二段に出ます所の浄土教の歴史の原理となるものであります。これは全く純粋の如来浄土の因果、仏因・仏果を宣示せられたものであります。これが歴史的事実の根源なることを次の第二段に於て証明されているのであります。もう一つ言葉を換えて申しますならば、これは釈尊以前の浄土の道を茲に明らかにしたものでありましょう。然則という處から、始めて仏教の歴史の中にこの道が編み込まれて来た。人間の世界に入って来たのでありましょう。それまでは全く仏の世界でございます。

『大無量寿経』は上下二巻ある。憬興という方はこの『大無量寿経』を釋して、初廣説如来浄土因果、後廣顕衆生往生因果と、こういって居るのであります。今この第一段に挙げました本願・光明は上巻に説いてある所の如来浄土の因果を明らかにしたものであります。第三段に、故知、円融至徳嘉号転悪成徳正智、難信金剛信楽除疑獲証真理也。爾者、凡小易修真教、愚鈍易往捷径。大聖一代教、無如是之徳海。捨穢欣浄、迷行惑信、心昏識寡、悪重障多、特仰如来発遣、必帰最勝直道、専奉斯行、唯崇斯信。これは下巻に依って衆生往生の因果を説くもの。そしてその中間に『観経』の意に依って浄土の機縁、浄土の機と縁とを明らかにし、浄土教の興起の由来する所を明らかにしたのが第二段であります。大体そういうことになるかと思います。

(行信の道  14 無礙の光明と全我の闇夜より)