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『教行信証』の外題と内題-1 (4/28)

『教行信証』の総序の文に就てお話しすることになりましたが、『教行信証』は御承知の通り浄土真宗の本典で、即ち立教開宗の聖典と定っているのであります。『教行信証』の題目に就ては、著者御自身二通りの題目を掲げられてあるのでありまして、表紙の外題は『教行信証』と掲げられてある。然るに内側にあります所の内題は『顕浄土真実教行証文類』となっているのであります。これは比較すると極めて明瞭でありまして、外題は祖聖己証の教・行・信・証という四法の題目であり、それに対して内題の方は従来の仏教常途の教・行・証の三法を以て題目としてあります。随って三法題目の内題には顕浄土真実という五字が頭に冠っていますが、教・行・信・証なる四法掲げてあります所の外題には、浄土とも真実とも何等の簡びもないのであります。

これはつまり信という一法を別開し、之を行・証の中間に附加えることによって新しく独自の教相を顕示し、特に断る必要がなく唯教・行・信・証とのみいう時、外に対して混濫を簡ぶべき何らの法もないのである。所謂世間虚仮唯仏是真であり、「九十五種(外道の道)皆世を汚す、唯仏の一道のみ独り清閑」で、絶対無二の教・行・信・証の唯一仏道であり、之を外にして全く仏法は無いということになります。それが教・行・証の三法ということになると、浄土の教・行・証に対し聖道の教・行・証というものがある。更に浄土の教・行・証に於ても真実の教・行・証があり、又方便の教・行・証がある。だからして浄土を以て聖道の教・行・証に簡び、更に真実を以て浄土方便の教・行・証を簡んで『顕浄土真実教行証文類』と内題に掲げられてあるのであります。

『行信の道』序講「総序の大観」
一 『教行信証』の外題と内題より